LiDARとは?測距原理・3D点群・設備計測を解説

TOP > 製品紹介 > レールロボットシステム > LiDARとは?測距原理・3D点群・設備計測・選定ポイントをわかりやすく解説
LiDAR / LIGHT DETECTION AND RANGING

LiDARとは?

LiDAR(ライダー:Light Detection and Ranging)は、 レーザー光を対象物へ照射し、 反射して戻ってくる光を測定することで、 対象物までの距離や周囲の形状を取得する技術です。

1点の距離を測るだけでなく、 レーザーを多数の方向へ高速に照射することで、 周囲の形状を3次元の点の集合である 「3D点群」として取得できます。

設備、建物、構造物、地形などの位置や形状を 非接触で3次元データとして取得できるため、 設備計測、3Dスキャン、寸法確認など さまざまな分野で利用されています。

LiDARを理解する基本は、 「レーザーで距離を測る」 →「多数の測距結果を3次元座標にする」 →「点群から位置・形状・寸法を読み取る」 という流れです。

1 LiDARの測距原理

LiDARの基本は、 レーザー光を対象物へ照射し、 反射して戻ってくる光を利用して距離を求めることです。

1

レーザーを照射

LiDARから対象物へレーザー光を照射します。

2

対象物で反射

設備、壁、地面などに当たったレーザー光が反射します。

3

反射光を受光

戻ってきたレーザー光を受光素子で検出します。

4

距離を算出

光の往復時間などから対象物までの距離を求めます。

TIME OF FLIGHT

ToF(Time of Flight)方式

代表的な測距方法の一つがToFです。 レーザーを発射してから反射光が戻るまでの時間を測定します。

光の速度は既知なので、 往復に要した時間から LiDARと対象物の間の距離を算出できます。

距離 = 光速 × 往復時間 ÷ 2
LiDARのレーザー測距原理

レーザー光の照射・反射・受光によるLiDAR測距の基本イメージ

2 2D LiDARと3D LiDAR

LiDARには測定する方向や範囲によって さまざまな種類があります。 代表的なのが2D LiDARと3D LiDARです。

2D LiDAR

平面上の距離を取得

一定の高さの平面をレーザーで走査し、 周囲までの距離を取得します。

断面形状の計測や、 周囲物体までの距離を把握する用途などに利用されます。

3D LiDAR

空間を立体的に取得

水平方向だけでなく垂直方向にもレーザーを照射し、 周囲をXYZの3次元データとして取得します。

建物、設備、構造物、地形などを 立体的に計測する用途に適しています。

2D LiDARと3D LiDARの取得データ比較

2D LiDARと3D LiDARで取得できるデータの違い

3 LiDARの主な性能項目

LiDARは「最大何mまで測れるか」だけでなく、 視野角、点群密度、測距精度など 複数の項目を確認して選定します。

測定距離

どこまで離れた対象を測定できるか。 対象物の反射率などによっても変化します。

視野角 FOV

水平方向・垂直方向に どの範囲を測定できるかを表します。

点群密度

取得できる点数が多いほど、 より細かな形状を捉えやすくなります。

測距精度

実際の距離と測定値との差や、 測定値のばらつきを示します。

最小測定距離

LiDARの直近には測定できない領域があり、 近距離計測では重要です。

更新速度

点群をどの程度の周期で 新しく取得できるかを示します。

4 3D点群データとは?

3D LiDARが取得する代表的なデータが 「点群(Point Cloud)」です。

POINT CLOUD

現実空間を大量の点で表現

LiDARで測定した1点1点には、 X・Y・Zの3次元座標があります。

大量の測定点を集めることで、 壁、床、柱、設備、建物などの形状が 立体的に見えるようになります。

写真のように面を撮影しているのではなく、 大量の測距点によって 現実空間の形状をデジタル化している点が特徴です。

XYZ座標

各点が3次元空間のどこに存在するかを表します。

反射強度

反射光の強さを取得できる機種では、 対象表面の状態を見る補助情報として利用できます。

点群密度

点の間隔が細かいほど、 小さな形状や細部を確認しやすくなります。

3D LiDARで取得した設備の点群データ

3D LiDARで取得した設備・構造物の点群イメージ

5 測定結果に影響する条件

LiDARは高精度な測距が可能ですが、 対象物や周囲環境によって取得状態が変化します。

対象物の反射率

黒色など反射率の低い物体では 戻る光が弱くなり、 測定可能距離が短くなる場合があります。

入射角

レーザーが対象面へ浅い角度で当たると、 反射光がセンサーへ戻りにくくなることがあります。

ガラス・鏡面

透明物では透過、 鏡面では強い正反射が発生し、 通常の壁面とは異なる結果になる場合があります。

雨・霧・埃

空気中の水滴や粒子でもレーザーが反射し、 ノイズが発生する場合があります。

強い周囲光

屋外の強い太陽光などは、 LiDARによって測定性能へ影響する場合があります。

測定距離

対象物までの距離が長くなるほど 戻ってくる反射光は弱くなります。

LiDARの反射率や表面状態による点群取得の違い

対象物の反射率・材質・入射角による取得状態の違い

6 点群データの基本処理

LiDARから取得した点群は、 目的に合わせて処理することで 計測や3Dデータ作成へ利用しやすくなります。

ノイズ除去

孤立した点や不要な反射などを除去し、 利用しやすい点群へ整えます。

ダウンサンプリング

形状をできるだけ保ちながら点数を減らし、 データ容量や処理負荷を低減します。

レジストレーション

異なる位置から取得した点群を 同じ座標系へ合わせます。

ICP

2つの点群形状を比較しながら、 位置・角度のズレを合わせる代表的な手法です。

平面・形状抽出

床、壁、柱などの特徴を 点群から抽出します。

メッシュ化

点だけのデータから面を生成し、 3Dモデルとして扱える形へ変換します。

LiDAR点群のノイズ除去処理前後

LiDAR点群のノイズ除去処理イメージ

7 設備・構造物の3D計測

LiDARの点群は、 設備や構造物の形状・寸法を 非接触で取得する用途にも利用できます。

DIMENSION

距離・高さ・幅

点群上の座標から、 2点間距離、高さ、設備幅、 クリアランスなどを算出できます。

3D SHAPE

設備形状の取得

複雑な設備や構造物を 大量の3次元座標として取得し、 現況形状を確認できます。

LiDARの測距精度だけで決まるわけではない

実際の3D計測では、 LiDAR単体の測距精度だけでなく、 点群密度、測定位置、対象物の反射率、 入射角なども結果へ影響します。

寸法精度が重要な用途では、 実際の使用距離・対象物・設置条件で 評価することが重要です。

LiDARによる設備と構造物の3D計測

設備・構造物をLiDARで取得し、点群上で寸法を確認するイメージ

8 LiDAR選定時のポイント

用途によって必要なLiDAR性能は異なります。 最大測定距離だけで選ばないことが重要です。

項目 確認するポイント
2D / 3D 平面計測でよいか、立体形状まで必要か
測定距離 最小距離から最大距離まで必要範囲を測れるか
視野角 水平・垂直方向に必要な範囲を取得できるか
点群密度 どの程度細かな対象まで計測する必要があるか
測距精度 距離・寸法計測で必要な精度を満たすか
更新速度 測定対象や使用方法に適した更新性能か
サイズ・重量 使用する装置へ搭載可能か
使用環境 屋内・屋外、温度、雨、埃、太陽光などへの対応
データ出力 使用するPC・組込み機器・ソフトウェアへ接続できるか

9 B&PLUSでのLiDAR技術検証

B&PLUSでは、 実際の3D LiDARを使用して 測距・点群取得・点群処理などの技術検証を行っています。

B&PLUS LiDAR TECHNOLOGY

実機と取得データを使ってLiDAR技術を評価

現在はLivox MID360などの3D LiDARを使用し、 点群のリアルタイム取得、 点群品質の確認、 PCDデータ保存、 設備・構造物などの3D計測に関する技術検証を進めています。 LiDAR単体の仕様だけではなく、 実際の対象物や使用環境によって 取得データがどのように変化するかを確認しながら 活用技術を検討しています。

Livox MID360などの3D LiDARを使用したB&PLUS技術検証

LiDARを実機へ搭載した3D点群取得の技術検証例

実際のLiDAR計測・飛行を見る

LiDARを搭載した実機による計測・技術検証の様子を動画で紹介しています。

LiDAR計測動画を見る

LiDAR・3D点群技術についてご相談ください

LiDARの選定、測距、 3D点群、設備計測、点群処理など、 用途に合わせた技術検討をご相談いただけます。

技術相談・お問い合わせ