【ワイヤレス給電/ワイヤレス充電】はこんな技術!

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ワイヤレス給電/ワイヤレス充電とは?

ワイヤレス給電/ワイヤレス充電は、空間を通じて電気を伝える事ができる、今注目の技術です。下の動画をご覧ください。送電部と受電部が近づくと、ワイヤレス(無線)で電力伝送がされLEDが点灯します。


 

    

 特長① 非金属なら通過しての給電が可能 


ワイヤレス給電には送電部と受電部があり、非金属(水、油、ガラス、樹脂、木材など)であれば、間に挟むことができます。その為、壁越し給電水中への給電真空度の高い密閉された容器内部へ給電が実現できます。人体を通過させる事もできるので、医療分野では、ペースメーカーへのワイヤレス充電、体内で光を発生させがんを治療する光免疫療法の研究にも応用が進んでいます。

 



    

 特長② 金属接点が必要ない 

一般的には、電気を流すためには金属接点や導線が不可欠ですが、ワイヤレス給電には金属的な接点がありません。そのため水が掛かってもショートによる製品故障もないのです。近年、携帯電話では置くだけ充電としてワイヤレス充電の搭載が標準化されつつありますが、身近なところでは、電動歯ブラシや電動シェーバーはワイヤレス給電技術が古くから採用されています。

また、クリーンルームや火気厳禁などの高度な産業設備において、金属接点の接触による金属粉の発生が問題視されます。
金属接点のないワイヤレス給電は、金属粉の発生を抑えることができるため、品質向上や安全対策としても有効な技術です。

コネクタのような物理的な接点は着脱回数が多いほど劣化し、破損しやすいものです。ワイヤレス給電は、接点が劣化することもないので半永久的に使用することが可能です。そのため、工場などで稼働するロボットに採用することでメンテナンスコストやトラブルを改善できます。以下の動画は、ロボットが自動でハンドチェンジする際に、ワイヤレス給電でハンド部へ電力伝送をしている様子です。
 





工場でのワイヤレス給電を使用した実績&事例はこちらからご覧いただけます!
 
コスト削減・自動化・5Sなど、生産現場にまつわる様々な課題を、
ワイヤレス給電を採用することで克服した事例をご紹介しています。
    

 特徴③ 回転中や移動中も給電が出来る 

給電エリア内であれば、受電部が回転や移動していても、ワイヤレス給電が可能です。回転部や可動部への給電手段として、スリップリングやロータリーコネクタ、ケーブルベアなどがありますが、ワイヤレス給電は、一切接触させずに給電が可能ですので、寿命や安定性、耐環境性などで優れています。


 

ワイヤレス給電の弱点

非常に便利なワイヤレス給電ですが、金属は弱点になります。給電エリア内に金属体が入ると、 安定的な給電が困難なりますし、金属自体が発熱してしまいます。その為、例えば金属で出来たボックスの中へワイヤレス給電で電力伝送をするなどは出来ません。 実は、逆にその特性を利用して誕生したのが、IHクッキングヒーターです。IHクッキングヒーターでは、送電側コイルで発生させた磁束が、フライパンやなべ底の金属を通過することで、渦電流が発生して過熱されます。ですので、土鍋や陶器の鍋では、磁束が通過してしまい、加熱が出来ないのですね。

IHクッキングヒーターと電磁誘導技術

 

ワイヤレス給電の歴史

「金属」しか流れないはずの電気が、なぜ空間を流れるのでしょうか? これは、今から180年以上前にファラデーによって発見された『電磁誘導の法則』に基づきます。 小学校・中学校の理科の授業で、「電磁石」というコイルに電気を流すと強力にくっつく磁石の実験をやったことはありませんか?これが、電磁誘導の入り口です。 電磁石はコイルに電気を流すことで、「電気」を「磁界」に変換します。そして「磁界」は、空間に流す(放出)ことができるのです。ワイヤレス給電は、この「電気」⇔「磁気」へ変換できる物理的な性質を利用しているのです。電磁誘導は、発電機や変圧器など多くの電気機器の動作原理となっています。

 

ワイヤレス給電・ワイヤレス充電のイメージ

また、無線技術の先駆者であるニコラテスラは、100年以上前に『世界システム』と呼ばれる壮大なワイヤレス給電の構想をしました。これは、電波塔からの無線電力伝送によって、地球全体に電気エネルギーを減衰させることなく伝送するというものです。結局、資金面や周波数の問題などもあり、実用化に至りませんでしたが、100年以上前にこのような発想でワイヤレス給電の研究をしていたのは驚きですね。
ニコラテスラと電波塔(世界システム)

近年では、2006年にマサチューセッツ工科大学が磁界共鳴によるワイヤレス給電技術を発表、2008年に発足されたWPC(Wireless Power Consortium)によるQi規格などが始まり、スマートフォンや電気自動車を始めとした電動モビリティ、IOTデバイスなどへの搭載研究、実用が開始され、ワイヤレス給電技術が急速に広がりを見せました。
今ではスマートフォンへのワイヤレス充電機能搭載が標準となり、今後さらに身近なものに広く搭載され、私たちの生活を支える技術として期待されています。

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