モビリティの未来を“ワイヤレス”で変える
― 開発部 楡木が語る、社会を支える技術の可能性 ―
Q:いま、どんなテーマで開発を進めているのですか?
楡木: 私は主にモビリティ向けのワイヤレス給電技術を担当しています。駅前や役場、工場内などで見かける電動アシスト自転車やキックボード、最近かなり増えましたよね。人口減少が進む中で、カーシェアのように“1人1台所有”ではなく、みんなでシェアして使う時代の流れと思っています。そんな社会では、「どうやって効率的に充電するか」が重要になります。
Q:現在の課題はどんなところにありますか?
楡木: 今のところ、バッテリを現場で直接交換しているケースが多いんです。でも、それをずっと人がやっていたら、人手不足の中で限界がきます。「人にしかできないこと」に時間を使って、機械に任せられることは機械に任せたい。そのためにワイヤレス給電は欠かせない技術なんです。
Q:ワイヤレス給電が社会をどう変えると思いますか?
楡木: 実は、モビリティの充電だけじゃなくて、再生可能エネルギーとの相性が抜群なんです。それなりに面積のあるシェアステーションの屋根はソーラーパネルの設置箇所として利用できますので、「(ソーラーパネルの)設置スペース」の為に森林伐採をせず、「太陽光で発電 → ワイヤレスでモビリティに充電 → 利用者が使う」というクリーンエネルギーで充電サイクルを回すこの仕組みは、SDGsの理念にも適っています。
Q:ワイヤレス給電の可能性は、他にも広がっていますか?
楡木: ええ、モビリティだけでなく医療分野でも注目されています。例えば、体内に埋め込む医療デバイス―ペースメーカーや患部に光を当てるLED治療など。こうした装置に電力を届けるのは簡単ではありません。バッテリを積むスペースがない、もしくは電池が切れたら再手術して交換しなければならない。それを解決できるのが体の外から電気を送るワイヤレス給電なんです。「電気を無線で送る」って、一見シンプルな技術に見えますが、使い方次第で人類の暮らしそのものを支える可能性があると感じています。
Q:この仕事の魅力はどんなところにありますか?
楡木: 自分のアイデアがそのまま試作や実験に反映されていくのが面白いですね。少人数のチームだから、“やってみよう”と思ったことをすぐ形にできる。失敗も含めて学びになるし、その先に「社会に役立つ形」が見える。技術開発って、地味なようでいて、実は未来の当たり前を作る仕事なんです。その実感があるから、日々の試行錯誤も楽しいですね。
Q:最後に、技術者を目指す学生や若手へメッセージを。
楡木: ワイヤレス給電は、これからますます広がっていく分野です。社会の課題を技術で解決したい―そんな気持ちがある人なら、きっと夢中になれると思います。「社会を動かす原動力となる技術」を一緒に作っていきましょう。

関連リンク
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