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ワイヤレス新技術
2026/10/05

海水の中で給電しながら通信できる?海中ワイヤレス給電 実験ラボ #02

最新情報

海水の中で、給電しながら通信してみます!

前回の実験ラボ #01では、既製品を使って人工海水中でのワイヤレス給電に挑戦しました。前回の条件では、空気中と比べて給電性能に大きな差は見られませんでした。

では、電力を送るだけでなく、データも一緒にやり取りできるのでしょうか?

水中の機器に電源を供給しながら、センサの測定値を読み出したり、機器に指示を送ったりできたら、使い方がさらに広がりそうです。そこで第2回は、「人工海水中で、ワイヤレス給電をしながら通信できるか」を試してみました!

PC、電源、電子負荷と人工海水を入れた水槽を使った給電・通信試験の全景
人工海水中での給電・通信試験。PCで送ったデータが戻ってくるかを確認します。

今回は、給電とRS-232C通信を同時に確認

使用したのは、給電と信号伝送を行うRCD11です。まず空気中で確認し、続いて人工海水中で給電・通信の様子を比較しました。

項目 今回の試験条件
比較する環境 空気中/人工海水中
送受電間距離 5mm(5mm厚スペーサー使用)
位置合わせ 軸ズレがないように対向させ、テープで固定
入力電圧 24.00V
負荷 電子負荷を使用、出力電流1.0A
通信 RS-232C、ループバックによる送受信確認
通信速度 4,800/9,600/19,200/38,400bps

ベース側とリモート側のモジュール、およびスペーサー
今回使用したモジュールとスペーサー。

「送った文字が、そのまま戻る?」ループバックで確認

今回の通信確認には、ループバック方式を使いました。受け取ったデータを折り返して、送った側へ戻す方法です。

リモート側の通信端子でTX(送信)とRX(受信)を接続し、PCから送った文字列が、モジュール間のワイヤレス区間を往復してPCへ戻る構成にしました。

例えば、38,400bpsでは「BPLUS UNDERWATER TEST 38400」という文字列を送信。受信した文字列と送信した文字列が一致すれば、「OK」判定とします。給電を行った状態で、この確認を各通信速度で実施しました。

給電の結果は、空気中も人工海水中も同程度

まずは給電の結果です。人工海水中でも約25Wの出力を確認できました。

測定項目 空気中 人工海水中
入力電圧 24.00V 24.00V
入力電流 1.6A 1.6A
入力電力 38.4W 38.4W
出力電圧 24.75V 24.85V
出力電流 1.0A 1.0A
出力電力 24.75W 24.85W
効率 64.5% 64.7%

空気中と人工海水中の差は、出力電力で0.10W、効率で0.2ポイントでした。今回の測定でも、どちらも同程度の給電結果となりました。

人工海水中でテープ固定した送受電モジュール
人工海水中に沈めた送受電モジュール。位置関係を固定した状態で評価しました。

通信も、4,800~38,400bpsの全条件でOK!

続いて、給電中の通信結果です。通信速度を4段階に変えて確認したところ、空気中・人工海水中のどちらでも、すべてOK判定となりました。

通信速度 空気中 人工海水中
4,800bps OK OK
9,600bps OK OK
19,200bps OK OK
38,400bps OK OK

送った文字列が、人工海水中のワイヤレス区間を往復して、そのまま戻ってきました。「給電はできたけれど、通信はどうだろう?」という今回の疑問に対して、うれしい結果です!

通信速度38400bpsで送信データと受信データが一致し、OKと表示された画面
38,400bpsでの確認画面。送信データと受信データが一致し、OKと表示されています。

給電しながらデータも送れたら、何ができる?

今回の条件では、人工海水中で給電を行いながら、RS-232C通信が成立することを確認できました。

例えば、水中センサへ電力を供給しながら測定データを取り出す仕組みや、水中機器が所定の位置に戻ったときに給電とデータのやり取りを行う仕組みなど、次に試してみたい使い方が浮かんできます。

「こんな水中機器で、給電とデータ通信をまとめて行えないかな?」というアイデアやお困りごとがあれば、ぜひB&PLUSへご相談ください。

水中・海中ワイヤレス給電の仕組みや活用例については、こちらでもご紹介しています。
▶ 水中・海中ワイヤレス給電とは?技術のポイントと導入事例をご紹介

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