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ワイヤレス新技術
2020/09/01

【導入事例】「国立研究開発法人海洋研究開発機構」様の「次世代海洋資源調査技術開発プロジェクト」で御採用頂きました!

最新情報

 

国立研究開発法人海洋研究開発機構様の概要

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)様は、海洋の調査に係わる技術・装置の開発と、それを使った研究を進めている研究機関です。


【Q1】

今日は、忙しい所、ありがとうございます。弊社のワイヤレス給電システムを水深1,600mの海底で使って頂いた驚きの事例です。早速ですが、今回の探査プロジェクトはどういった目的で行われたのでしょうか?

【A1】

今回のプロジェクトは、我が国の海底に眠る新たな鉱物資源の調査のための技術開発をめざす内閣府主導のプロジェクトの一環として行われました。海底にはまだ未利用の鉱物資源やエネルギー資源が豊富に存在するということが分かってきています。そこで、高品質な海底資源はどこにどれ位あるのか、そしてそもそも自然界でどのように形成されているのかといった成因論からの究明、実際に海底を広域に探査するための海中ロボットや、それを複数同時に展開する技術、そして資源の探査や将来的な採取が環境にどの程度の影響を及ぼすのかといった環境影響評価手法などの開発を進めてきています。写真の装置はLEMONランダーと呼んでいる装置で、特に環境影響評価のための装置です。

ワイヤレス給電

【Q2】

なるほど!レモンランダーは形もレモンっぽくてユーモアを感じました。レモンランダーについて、詳しく教えて下さい!

【A2】

海中では海表面の一部を除いて太陽光を利用できません。なので、エネルギー源は今のところバッテリに依存しています。LEMONランダーのような長期連続運用を目指す装置では、定期的なバッテリの交換や充電が必要ですが、水中着脱コネクタを使用するのではコスト的に苦しい。また、完全自動の海中ロボットにとっては、海底で他の装置と物理的に接合することは海底拘束、浮上不能という最悪のトラブルにつながるため、大きなリスクになります。ワイヤレス給電であれば物理的な接合を必要としないので、リスクを大幅に低減でき、将来的な全自動バッテリー交換なども可能になるでしょう。ワイヤレス給電をうまく利用することで、海中観測の自動化が飛躍的に進むと期待しています。

【Q3】

今回は、ワイヤレス給電を2set使って頂いています。上記写真の赤い点線部です。電源は24VDC、12VDC、RS232C(9600bps)のシリアル通信も同時に行います。内部部品を変更し、油漬容器構造にすることで、深海での使用にも耐えられるようにしています。高圧試験では、20MPaで正常動作することを確認しました。今回、非接触化したことでの一番のメリットはなんでしょうか?

【A3】

海中の技術で地味に難しいのが電気的な接続です。陸上であれば小さなコネクタ一つ接続すれば高速データ通信、電源供給など可能ですが、海中で着脱できるコネクタはとても大がかりで、かつ信じられないくらいに高額です。LEMONランダーの様に長期的に海底設置される装置では、定期的なデータ回収やバッテリの充電などが要求されますが、そこに水中着脱コネクタを使用すると製造・運用コストが増大します。そこでワイヤレス給電・通信の機能を用いることで、高価で大がかりな水中着脱コネクタを使用する事なく、観測データ回収が可能になります。実際に今回のLEMONランダーでもセンサデータはもちろん、カメラからの静止画の伝送によってカメラアングルや照明照度等の確認ができ、効果的な運用を実現することができました。回収後に見てみたらヘンな所を撮影していた、真っ暗だった、では困りますから。また、海中ロボットからの給電も同時にできるので、装置内のバッテリの減りを気にすることもなく作業できます。また、センサのうち一つをワイヤレス接続にしてあります。これは、センサの故障や他のセンサへの更新といったオペレーションの全自動化を見据えた試験です。


【b&plus】

お役に立てて、嬉しいです。最後に、海洋におけるワイヤレス給電の活用可能性など、ご教授頂ければ幸いです。

【福場様】

海中では海表面の一部を除いて太陽光を利用できません。なので、エネルギー源は今のところバッテリに依存しています。LEMONランダーのような長期連続運用を目指す装置では、定期的なバッテリの交換や充電が必要ですが、水中着脱コネクタを使用するのではコスト的に苦しい。また、完全自動の海中ロボットにとっては、海底で他の装置と物理的に接合することは海底拘束、浮上不能という最悪のトラブルにつながるため、大きなリスクになります。ワイヤレス給電であれば物理的な接合を必要としないので、リスクを大幅に低減でき、将来的な全自動バッテリー交換なども可能になるでしょう。ワイヤレス給電をうまく利用することで、海中観測の自動化が飛躍的に進むと期待しています。

【b&plus】

大変貴重なお話を、ありがとうございました!今後のワイヤレス給電の広がりを実感できる事例でした。見せて頂いた写真では、カニやサメなど深海の生態系を覗き見できました。
今回のプロジェクトの発表内容詳細は以下のリンク先に掲載されております。ご興味のある方はご覧くさい!

カニ画像

https://lsc-pagepro.mydigitalpublication.com/publication/?m=60787&i=603280&p=26

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