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お知らせ
2025/02/18

ジンバブエの子供たちへ学習の機会を!ワイヤレス充電実証試験【ペガラジャパン様・案件ご紹介②】

最新情報

前回の記事に引き続き、ワイヤレス充電を搭載した鳥獣追い払い用ドローンによる、ジンバブエの穀物被害軽減についてご紹介します。

ジンバブエでは現状、農家の方々がネットなどを使い、穀物被害の原因である鳥・クエラを人力で追い払っています。また、鳥が出る時期には子どもも学校を休み、家族総出で1日中鳥を追い払っているとのこと。穀物被害により子どもたちの学びの機会も奪われてしまっているのです。

そこでペガラジャパン様は、鳥獣追い払い用のドローンの導入を検討しました。決められたルートを自動で飛行し、ポートへ戻ってくるAIドローンです。

さらに、ドローンの弱点である「飛行時間の短さ」を補うべくワイヤレス充電機能を搭載。ドローンがポートに着地するだけで自動充電が始まるため、AIによる自動飛行と合わせれば、穀物被害対策の省人化が可能になるのです。

屋外でのドローン使用にも耐えられる、カスタム仕様のワイヤレス充電! 

ここからは、ビーアンドプラスが開発したワイヤレス充電機工の特徴を3つご紹介します。

◆特徴①:軸ズレ許容範囲50cm

ドローンはその機種により着地精度が様々です。約5cmのものや、20cm程度の機種もありますが、今回使用したドローンは小型タイプのDJI mini4。かつ屋外で使用することもあり、着陸精度は4~50cm程になります。そのため、広い充電範囲が求められていました。

そこで用いたのが「マルチ充電システム」です。

従来のワイヤレス充電は送電用のコイルを1つポートへ設置しますが、マルチ充電システムでは複数のコイルを設置。そのため磁界の範囲が広がり、ドローンポートの中心から50cmまでズレてもワイヤレス充電ができる仕様になっています。また、コイル1つの方式では伝送効率の観点からも実現が厳しいことから、マルチ充電システムを採用しました。

こちらの動画では、実際に広範囲で充電しているところをご覧いただけます。(撮影場所は埼玉県の弊社オフィスですが…!)

◆特徴②:ドローンに合わせて、充電器の重量や電力をカスタマイズ

今回使用するドローンはDJI mini4。充電出力もバッテリーに合わせてType-c充電12V2A(24W)に調整しました。お客様に合わせた細かなカスタム対応は、ビーアンドプラスの得意分野です!

◆特徴③:予算内でドローンポートの開閉ステーションを実現

ペガラジャパン様からもう1点ご要望をいただいたのが、予算について。簡易な構造でできるだけ量産化した際のコストを抑えたいとのご相談でした。その制約の中でも、アルミフレームと雨除け用のビニールカバーを用い、さらにモーターを無線制御することで、ドローンポートの開閉ステーションを実現しています。

ペガラジャパン様にインタビュー


【Q1】ジンバブエで鳥獣対策をしようとしたきっかけを教えてください

【A1】
JIN(Japan Innovation NetWork)と、UNDP(国連開発計画)が共同で運営するプロジェクト Japan Innovation Challengeに応募したことがきっかけになります。元々、アフリカの国際的な課題に関しては、メディアで知る以上の知識はなく、課題に対しての実感としては非常に拙いものでした。しかし、日本の技術で救える課題があること、デスクトップリサーチを通して、直面する課題の大きさや、現場でのリサーチによって人々の困窮を肌で感じることができ、ジンバブエの鳥獣対策に本格的に取り組む決意をいたしました。


【Q2】ビーアンドプラスに依頼した理由はどのようなところでしょうか

【A2】
ジンバブエの農家では、害獣による被害が非常に大きく、生活のほとんどの時間を追い払いに費やすほど逼迫しています。そのため、農地に人が介在することのない追い払いシステム開発が必要でした。デスクトップリサーチをする中で、御社のWEBサイトを発見し、ドローンの自動化への一歩であるワイヤレス充電機能を提供していることを目にしました。また、スタートアップ企業などに寄り添い試作段階から開発提供しており、弊社としてはまさに必要としているサービスそのものを提供されている会社であると感じ、ご連絡させていただきました。


【Q3】DJI mini4を選んだ理由を教えて下さい

【A3】
DJI mini 4を選んだきっかけは、元々のシステムの着想である害獣アタックドローン(滋賀県で害獣追い払いを専門に行っている松本氏の追い払いアイデア)で使用している機体がDJI miniであり、農家にとって使用しやすい価格と自動飛行機能などの機能性や追い払い効果のバランスが他機種のドローンより優れていたためです。今後は、完成された自動化に向けて、より適正な機体も考慮していこうと考えています。


【Q4】最後に、ワイヤレス充電のドローンを使用した感想はいかがでしょうか?

【A4】
ドローンにワイヤレス充電を搭載し使用してみて、かなりの無理難題の要求であったにも関わらず、想像よりも洗練された機能と使用感を実感いたしました。特に、充電が十分にできるだけではなく、軽量化、スピーカー機能、スイッチの切り替え機能など細やかな要求もシンプルに纏めていただき、今後のドローンの自動化に向けて、スムーズに移行できる十分な機能性を確認できました。今後はいただきましたシステムをベースに、自動追払いシステムの完成とジンバブエに止まらず、世界各国の農家への実装を行っていきたいと考えています。  


また、ペガラジャパン様の取り組みは様々なウェブサイトにも掲載されています。下記のリンクからぜひご覧ください。

・内閣府「途上国等におけるSTI for SDGsの推進(国連開発計画への拠出)」

・UNDP Accelerator Labs「The Labs 2.0: Evolving into a global research and development capability for the SDGs」
※英語のサイトになります。

 

ビーアンドプラスは、ワイヤレス充電で世界を明るくする活動を続けていきます 

ジンバブエの穀物被害対策と、ワイヤレス充電ドローンの活用、いかがでしょうか?

ビーアンドプラスはこれからも、ワイヤレス充電技術を通じて社会貢献を続けていきます。今後も取り組みをご紹介していく予定ですので、よろしくお願いいたします。