【技術ブログ】ワイヤレス充電 × バッテリー × インバーターでAC100Vをつくるという選択肢
近年、現場機器や電動モビリティなどから「AC100Vをワイヤレス給電したい」というご相談をいただくことが増えてきました。
確かに、AC100Vをそのままワイヤレスで届けられれば汎用性は広がります。しかし実際には、AC100Vを直接出力するワイヤレス給電モジュールを製品として成立させるには、安全性や規格面を含めてハードルが高いものがあります。
では AC100V のワイヤレス給電は諦めるしかないのか?
実はそんなことはありません。
ワイヤレス充電+二次電池+インバーターの組合せでAC100Vを生成する
今回紹介するのは、
「ワイヤレス給電 → バッテリー → インバーター → AC100V負荷」
という構成です。
ワイヤレス給電でまずバッテリーへDC(直流)を充電し、
必要に応じてインバーターを通すことで AC100V を作り出す方式です。

このアプローチのポイントは次の通りです。
◆既存のACアダプタや充電アダプタがそのまま使える
AC100Vさえ出せれば、市販のACアダプタをそのまま接続できます。
つまり、装置側を改造せずにワイヤレス化できるという大きなメリットがあります。
◆負荷に合わせて電力構成を自由に組める
バッテリー容量・給電モジュールの出力・インバーター仕様を組み合わせれば、
用途ごとに最適な “構成パッケージ” を作れます。
既製品で難しい負荷条件にも柔軟に対応できます。
◆インバーターは用途に応じて選択可能
-
精密装置やモーター系:正弦波タイプ
-
小型家電やACアダプタ:矩形波で十分な場合も
など、負荷特性に合わせて選べる点も組み合わせ方式の強みです。
デメリットと注意点
もちろん万能ではありません。組合せ方式ならではのデメリットも存在します。
-
構成が増えるため、見た目がスッキリしにくい
-
バッテリー+インバーター分の体積が増える
-
モーターやヒーターは突入電流に注意が必要
-
効率は単体AC出力機より低くなる場合がある
ただし、これらは適切な設計・電力マージン・インバーター選定で十分にカバーできます。
1.5分の動画でも構成例を紹介しています
本記事と合わせて、シンプルに構成例をまとめた動画も公開しています。
「こんな形で AC100V を作り出せるのか」というイメージを持っていただければ幸いです。
” 技術の可能性紹介” として
本記事は「完成されたAC100Vワイヤレス給電装置」を紹介するものではありません。
むしろ、
「こんな組み合わせで、AC駆動負荷にもワイヤレス給電を応用できます」
という技術紹介的な位置付けです。
用途や負荷条件に合わせて、
-
ワイヤレス給電モジュール
-
バッテリー構成
-
インバーターの種類
を組み合わせたパッケージ提案にも柔軟に応じられます。
必要に応じて、用途や負荷に合わせたパッケージ構成のご提案も可能です。
(電動モビリティへの導入例写真)

「ワイヤレス給電でこういうことはできる?」というお問い合わせもお気軽にどうぞ。
Category
- お知らせ (389)
- 製品ニュース (217)
- 営業のおすすめ! (117)
- 導入事例 (99)
- ワイヤレス新技術 (94)
- AGV充電関連 (64)
- News(En) (50)
- アプリケーション (41)
- Application(En) (34)
- Novotechnik関連 (33)
- 導入事例 AGV関連 (24)
- AGV(En) (16)
- IDシステム (13)
- WPT(En) (11)
- ID(En) (5)
Tags
- ワイヤレス給電&信号伝送システム (128)
- 新技術 (102)
- ワイヤレス充電 (94)
- AGV (72)
- 営業のおすすめ (71)
- IDシステム (50)
- 移動 (46)
- 搬送ライン (40)
- ロボット (38)
- 回転 (37)
- 識別管理 (37)
- その他生産現場 (35)
- 着脱 (33)
- 自動車 (31)
- 展示会情報 (31)
- B&PLUSの紹介 (30)
- recommend (27)
- Automotive factory (27)
- カスタム (20)
- 自由研究 (16)